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 国立社会保障・人口問題研究所は1月30日、2060年までの将来人口推計を発表した。推計によれば、日本の人口は2010年の1億2,806万人をピークに減少を始め、2048年には1億人を割り、2060年には8,674万人まで減少するという。人口推計の前提となる出生率は2010年時点で1.39。今後は低下傾向で、2020年代前半には1.33になり、その後は1.35前後で推移するという。

 推計の前提は、人口は政策的には左右できないもので、現在の傾向が将来とも続くというものだ。本当にそうだろうか。

 例えばフランスの出生率は1960年代後半から減少し始め1990年代後半には1.7まで低下したが、1981年のミッテラン政権以来、家族政策が一段と強化され、2008年には出生率はEUでのトップの2.02になるにいたった。

 先進国の中で出生率が2を越えているのはアメリカとフランスだけ。アメリカは移民国家で、特にアフリカ系とヒスパニック系の出生率が高いことが出生率2を超えている主な原因なのだが、フランスの場合は政策的に出生率を押し上げているのだ。

 フランスの家族政策の歴史は第2次世界大戦前まで遡る。1932年に家族手当法を作り、政府はつぎつぎと家族手当や教育支援策を打ち出し、人口の維持、増加に乗り出したのだ。

 フランスは女性の社会参加が日本よりも進んでいるが、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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