メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

日本も2%インフレ目標を採用すべきだ

原田泰

原田泰 原田泰(早稲田大学教授)

国民の委託を自覚している国とそうでない国

 連邦準備制度が、インフレ目標政策を採用したことについて、より積極的な金融緩和によってデフレから脱却すべきだという、いわゆるリフレ派のエコノミストは歓迎し、反リフレ、日銀寄りのエコノミストは反対している。しかし、この発表では、インフレ目標とともに、同じくらいに、あるいはそれ以上に重要なことが書かれている。

1.アメリカの中央銀行である連邦準備制度の目標は議会により、すなわち国民から与えられていること

2.その目標は最大の雇用、安定的な物価、そして適度の長期金利であると明確にされ、

3.それを達成することと調和的なインフレ率は2%であると目標が具体化され(インフレ目標政策の採用)、

4.物価は金融政策で決定されるものだから、連邦準備は2%のインフレ率を実現できる(日本銀行とその関係者は、物価は金融政策で決定されるものではないので日銀は2%のインフレ率を実現できないと考えている)

 と記されているのである(カッコ内は筆者による)。

 ひるがえって日本のことを考えると、議会が何を日銀に目標として与えているのか、議会も日銀も意識しておらず、その具体的な目標も示されず、

・・・ログインして読む
(残り:約1137文字/本文:約1639文字)