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イチゴに見る農業経営の現実

青山浩子 農業ジャーナリスト

 イチゴといえば、農家にとって「儲かる作物」の代表といわれていた。農水省が平成19年までおこなってきた「品目別経営統計」を見ると、施設野菜(イチゴは果物ではなく野菜に属する)は収益性が高い作物として数えられている。

拡大高設栽培のいちごハウス

 消費者にも人気がある。昨今、「皮をむくのが面倒」「他のデザートのほうが手軽」と果物ばなれが進んでいる。みかんの消費量は20年前の半分以下、りんごは6割に減ったがイチゴは「すぐ食べられる」「甘い」という理由でりんごやみかんほど落ち込んでいない。

 だが、イチゴ農家に聞くと「イチゴは儲かるというのは昔の話」といわれる。話を聞いてみると確かに経営は決して楽ではない。

 スーパーで売っているイチゴのパックはたいてい300グラム入りだ。品種や品質、購入時期によっても異なるが小売価格は398円~800円程度ではないだろうか。

 このうち農家所得がいくらか。東京都内にある9市場の平均単価を調べると、300グラム入りのイチゴの相場は年間平均で358円(平成23年)。平成15年の398円以降、ジリジリと下がっている。ここから肥料、農薬代、施設の償却費などを引くと農家の手元に残るのは30~40%といわれる。358円の相場がついても、 ・・・ログインして読む
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筆者

青山浩子

青山浩子(あおやま・ひろこ) 農業ジャーナリスト

1963年愛知県生まれ。86年京都外国語大学英米語学科卒業。JTB勤務を経て、90年から1年間、韓国延世大学に留学。帰国後、韓国系商社であるハンファジャパン、船井総合研究所に勤務。99年より農業関係のジャーナリストとして活動中。1年の半分を農村での取材にあて、奮闘する農家の姿を紹介している。農業関連の月刊誌、新聞などに連載。著書に「強い農業をつくる」「『農』が変える食ビジネス」(日本経済新聞出版社)「農産物のダイレクト販売」(共著、ベネット)などがある。茨城大学農学部非常勤講師もつとめる。

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