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 ここ10年の日本経済の平均成長率(実質GDP)は0.64%、アメリカ経済のそれは1.7%、EU5カ国の単純平均は1.2%です。つまり、アメリカ、EU5カ国に対して、日本の成長率が平均的に一番低かったわけです。

 グラフ1でも示されているように1990年代までは、日本の成長率はアメリカ、EUを上回っていましたが1990年代前半から両地域を下回るようになってしまったのです。しかし、この間円ドルレート、円ユーロレートはトレンドとして円高に推移し(グラフ2-1、2-2)、円ドルレートは2012年に入って70円台に、円ユーロレートは100円前後で推移しています。

拡大グラフ1

拡大グラフ2-1

拡大グラフ2-2

 つまり、少なくとも成長率では一番低い「弱い」日本経済の通貨円が強くなってきてしまっているのです。

 もちろん為替レートを決定する要因は実質GDPの成長率だけではありませんが、成長率がひとつの重要なファクターであることは事実です。成長率に加え、あるいはそれ以上に金融政策が影響してくることは確かです。

 このところの金融緩和ではアメリカが先行していたので、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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