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(I)

 ギリシャ危機はなんとか当面収めたものの、ヨーロッパ危機は続いている。財政再建が至上命題となるなかで経済の停滞は続き、2012年のユーロ圏の成長率はマイナスに落ち込むことが予想されている。

 欧州委員会によると全ヨーロッパの実質GDPの成長率はマイナス0.3%。ギリシャ、ポルトガル、イタリアはそれぞれマイナス4.4%、マイナス3.3%、マイナス1.3%だ。さすがにドイツとフランスはプラス成長だが、それでも成長率は1.0%を切り、ドイツが0.6%、フランスが0.4%だ。

 アメリカ経済は今のところ順調。IMFも2012年アメリカの実質GDPは1.8%の成長率を達成するとしている。しかしユーロ圏をはじめ世界経済が大きく減速する中で、(世界経済の成長率は2011年の3.8%から2012年には3.3%へ)アメリカが力強い景気回復を維持できるかどうかは不透明だ。

 2009年のオバマ政権成立以来、財政・金融政策はフルに稼動している。世界的に財政赤字が問題になる中で、財政によるさらなる景気刺激は困難。金融政策もゼロ金利に加え、量的緩和を2014年末まで継続するとしているので、さらなる緩和は無理だろう。となると、

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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