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首都直下地震、まず官邸が備えよ

 全国で大規模な地震が頻発している。日本は完全に長い歴史のなかでも、かなり強い地震の活動期に入ったと考えるのが自然かもしれない。そうであるなら、東日本大震災を復興の視点だけで考えていてはまずい。現在進行形の震災として、被害が大きかった東北3県だけの問題ではない広域問題として、とらえる必要がありはしないか。とりわけ想定被害の深刻な首都直下地震への対策を急がねばならない。

 東京大地震研究所の研究者は、最近、首都直下型地震が4年以内に70%の確率で起きるという予測を発表した。また文部科学省のプロジェクトチームは、東京湾北部でマグニチュード(M)7級の地震が起きた場合、東京湾沿岸の広い範囲で震度7の揺れに見舞われる恐れがあると発表している。

 従来、中央防災会議は、東京湾北部で起きる最大震度6強の地震でも死者は約1万1千人、経済被害は112兆円と予測してきた。昨今の首都直下地震の発生リスク、規模リスクの上方修正は、被害想定もさらに厳しくみながら対策をとらねばならないことを示唆している。

 まず、何が必要か。私はまずは政府機能、とりわけ官邸の指揮機能が喪失しないことを真剣に、しかも一刻も早く考えておくべきだと思う。

 政府中枢が被災して内閣や国会が機能しなくなったときのことを想定した法制度は、実は日本にはない。官邸の代替施設としては東京・立川やさいたま副都心に政府施設が用意されている。だが、

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