メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

無料

学会連携・震災プロジェクトの新年度が始動 日本学術会議の大西隆会長と情報共有

WEBRONZA編集長 矢田義一

 放射線被ばくについてはまだ公表していないが、福島県内のどこにいた人がこれまでにどれくらい被ばくしているかということを推計した。この推計の方法としては、ひとつはだいたい多くの人がどういう行動をとったのかということに応じて、行動をとった場所、移っていく場所などと、その場所ごとの放射線量はおおむね分かっているので、そこにある仮定を置いて、屋外で何時間、屋内で何時間過ごしたということで、これまでの数カ月間でどれくらい被ばくした可能性があるかということを、計算した。

 それから一方で個別の調査も存在する。つまり、福島県内で個人がどれくらいこれまでに浴びたのかということの調査および内部被ばく量のデータなどもとられているので、そうしたデータとつきあわせながら、具体的な個人ベースではないが、ある行動パターンをとった人の累積の被ばく量を計算した。

 その人が今度はたとえば新しい枠組みのなかで、もとの場所に戻るとか、あるいは元の場所の近く行くということをこれからやって、数十年間過ごした場合に、仮に30年間でどれくらい被ばくすることになるかということを推計している。

 これまで実際に浴びている量は100ミリシーベルトに満たない。ざっとまあ、その半分程度、50ミリシーベルトいっている人も少ない。ほとんどはそれ以下だ。したがって、健康被害に問題ないが、これから30年間住む場所によっては完全にそれを上回る、100ミリシーベルトを上回る恐れのある人がたくさんいる。だから、我々は今回の推計では、これまでどうだったかということよりも、これからどう過ごすかということが極めて重要だと認識している。

 特に、これまでという意味では、原発に近いところの人たちは、割と早く避難命令が出て、逃げている。だから、高い濃度ではあったわけだが、高い濃度を浴びた時間が極めて短い。ところが、その周辺の飯館村などでは、約2カ月現場にいたことになっている。最終的に避難したのが、5月の下旬、20日前後だったと思う。だから、約2カ月間浴びているので、その間に割と高濃度のものを浴びてしまっている。先ほど言った100ミリシーベルトよりははるかに低い量だが、初期値が割と高い。それから避難をしているが、これからだんだん場合によっては少し高いところに戻るという可能性もある。その時に累積で100ミリシーベルトを、過ごし方によっては超える人が出る恐れが出てくる。だから、これからの管理というのが非常に大事だということだ。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。