2012年04月25日
4月27日の日銀金融政策決定会合での、何らかの金融追加緩和策の決定が、あたかも既定の事実であるがごとく語られている。2月14日の、”surprize”と受け止められた緩和策導入から2ヶ月余を算するのみであるにかかわらず。また、この間、経済状況にみるべき悪化が認められないにかかわらず。
このような、無際限とみえる金融緩和は、金融政策として異常であるばかりでなく、こうした金融緩和への執拗な催促の定着は、日本社会の発想のおぞましいばかりの貧困化を示しているように思われてならない。
それは、古代ローマ帝国末期にはびこったと云われる、「パンとサーカス」への騒がしい要求を想起させる。
「無際限の」金融緩和は、日本が先鞭をつけ、リーマン・ショック後に先進諸国に一般化した「量的緩和政策」(アメリカではQEと略称される)という金融緩和のありかたに根ざしている所があろう。
伝統的な金融緩和政策手段であった金利の引き下げには、云うまでもなく、名目金利はマイナスに出来ないという限界がある。そこで、政策金利の名目値がゼロ近傍に達した時、金利引き下げに代わる緩和手段として中央銀行の資産または負債を増加させる「量的緩和」が、新たな政策手段として眼を付けられることになった。
中央銀行による国債の大量購入、中央銀行における市中金融機関保有の当座預金の増加目標の設定とその大幅引き上げなどである。このような緩和政策手段には、名目金利操作と違って、明らかな限界がなく、かくて「無際限の」緩和が可能と見え、実際に繰り返される。
しかし、
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