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高速道路も年金も同じだ

原田泰 原田泰(早稲田大学教授)

 第二東名高速道路とそのサービスエリアが話題になり、テレビでもゴールデンウィークの話題として度々登場していた。

 私には、静岡県の御殿場から三ヶ日までの、旧東名高速があまり混まないところだけ造って、最後の混み方が酷いことになるのではないかと心配になる。取材の便宜を受けたせいか、テレビがこのことをあまり問題にしていなかったのはどうかと思う。しかし、今回は、別のことを話題にしたい。

サービスエリアは民業圧迫ではないのか

 私には、高速道路のサービスエリアが民業圧迫、地元企業圧迫だという声が上がらないのは不思議である。

 民主党と、民主党の高速道路無料化論の元となった山崎養世氏の説では、高速道路を無料化すれば(もちろん、地方の混雑しない高速道路を無料化するのであって新東名とは異なるかもしれないが)、大規模な料金所が要らなくなり、いくらでも出入り口を造ることができる。

 そうすれば、高速を走っている車は地元の観光地に行ったり、名物を食べに行ったりするために自由に道路を出入りする。だから、地域は活性化するはずだということだった。

 とすれば、新東名が豪華で便利なサービスエリアを造れば、地元にお金は落ちない。地元の不満があっても良さそうだが、まったくそんな声は聞かれない。

 理由は、もはや反対運動を起こすほどの商店街や観光地がなくなってしまったからではないだろうか。考えてみれば、

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