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健康先進国日本~豊かな成熟社会の証し~

榊原英資 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

 日本経済や日本社会について近ごろ悲観論が増えてきているようだ。確かに成長力では中国に圧倒的にリードされているし、韓国のダイナミズムにも対抗できなくなってきている。しかし視点を変えて見れば、これは日本が豊かになり成長局面から成熟局面に入ってきたということであり、何も悲観することではない。

 成熟社会として日本を見れば、数々の先進的要素を維持し拡大してきている。

 その一つが健康。平均寿命の長さでは日本が世界のナンバーワン。2005年ベースで、男女平均で82.3歳。フランスの80.2歳、ドイツの79.1歳、アメリカの77.9歳を大きく上回っている。ちなみに日本に継ぐ長寿国は香港、そしてアイスランドだがともに小国。香港は81.9歳、アイスランドは81.5歳。特に日本の女性の長寿(85.7歳)が目立つ。

 長寿の最大の原因は米と魚を中心とした食生活にあるのだろう。国民の肥満度統計(OECD・2012年)では日本はOECD34カ国のうち最低。BMI(Body Mass Index:身長と体重より計算。BMI30以上が肥満、25以上が太り気味)30以上の国民は全体の3.9%に過ぎない。

 最大の肥満大国はアメリカ。BMI30以上が日本の10倍に近い33.8%いる。アメリカについでメキシコ、チリ、ニュージーランド、イギリス、オーストラリアなどいわゆるアングロ・サクソンの国に肥満が多い。BMI25以上になるとアメリカは68.0%。人口の三分の二が太り気味か肥満ということになる。

 ハンバーガー、ポテトチップスなどのいわゆるジャンクフードの食べすぎということなのだろう。日本で最も肥満度の高いのが ・・・ログインして読む
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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) 青山学院大学特別招聘教授、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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