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インターンシップ応募で始まる大学3年生の就活

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 大学3年生、大学院修士課程1年生など2014年卒業予定者の就職活動が事実上、始まった。マイナビ、リクナビ、日経ナビなど就職情報会社のサイトが2014年6月1日、開設させた。3年生向けに新規登録を促す広告ビラが各大学の就職課に山積みされている。登録すれば、「インターンシップは採用選考とは一切関係ありません」との但書き付きで個別企業のインターンシップ募集が送られてくる。文字通り受け止める学生は少ないだろう。

 2014年卒業予定者向けの就職情報サイトは、夏のインターンシップ募集サイトとして立ちあがり、12月以降、新規卒業予定者向け情報サイトに変身していく。

 日本経済団体連合会の申し合わせで、2013年卒業予定者から、会社説明会の開始が10月から12月に変更された。翌年4月から事実上の内定が出されるスケジュールで、マスコミは「就職活動の短期化」などと報じている。2013年卒業予定者の活動を見聞する限り、学生サイドの対策としてはさほど変わらないだろう。3年生の4月時点で、自己分析や大学主催の就職活動のガイダンス参加が始まるのが適当だろう。3年生とは、進路を意識しなければならない学年である。

問題は文科系の職業選択

 大学生の対応、大学教育への影響も専門によって全く異なる。医学部、歯学部、薬学部(教育機関6年)は、大学教育→国家試験→職業のプロセスがゆるぎなく確立している。職種に国家試験が必須の場合、学生や家族は、高校の大学選択の段階で、卒業後の進路選択が明確になっている。

 理学部、工学部は、例えば、建築学専攻→建築士→職業などがあるものの、医歯薬学部ほど国家試験によるプロセスは明確ではない。しかし大学選択時の学部・学科・専攻で、ある程度、職業のイメージができる。

 よって就職活動と大学教育が特に問題視されるのは、文科系となる。

再就職に困らない女子アナ

 文科系も、司法試験、公認会計士試験に対応して、4年間の学部とは別に、ロー・スクール、アカウンティング・スクールなどプロフェショナル・スクールが開設されたが、医歯薬のような産学連携は確立していない。司法試験、公認会計士に合格しても法律事務所や会計事務所に採用されないケースも問題視されている。アナウンサー出身の弁護士の法律事務所採用をうらやましく思う司法試験合格者やロー・スクール学生が存在し、「広告塔になれる女子アナはいいよな」とつぶやきたくもなる。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201201190715.html

 公務員の採用人数が抑制される時代においては、法学部の進路も経済学・経営学系、社会学や文学系の進路と差別化はしにくくなる。つまり大学教育→職業の関係で、民間企業を中心として多様な選択肢が存在することになり、高校時点の大学選択もどうしてもあいまいになる。

 さらに、大学進学率が50%を超える時代で、高校時代の大学選択で卒業後の職業選択を意識させるのも容易ではない。明確な進路の目標や夢がなくても、なんとなく大学進学ができる。

 民間企業サイドは文科系学生に対して、 ・・・ログインして読む
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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

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