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お粗末きわまりない国会事故調

大鹿靖明 朝日新聞経済部記者

 国会に設けられた「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」(国会事故調)が、原発爆発時に官邸が現場に過剰介入したと結論づける誘導をおこなっている点には同意できない。爆発時の責任者である東電の清水正孝元社長の参考人聴取でも、官邸の過剰介入という国会事故調がまとめたい報告書に沿うやりとりや誘導的な質問が少なくなく、公正さに欠ける。率直に言って私は、6月中にまとめるという報告書の内容はあまり期待できないと考えている。

 6月8日に参院議員会館講堂で行われた清水氏の参考人聴取で、真っ先に問題になったのは震災当日の昨年3月11日の清水氏の行動だった。当時日本経団連副会長だった清水氏は、経団連の行事を済ませるために3月9-10日にかけて四国に出張したが、予定されていた四国経済懇談会終了後に帰京せず、奈良に赴いたことがわかっている。この奈良における滞在を、東電側は「財界人との会合で先方にご迷惑がかかるので明らかにできません」(当時の鈴木和史広報部長)と、かたくなに情報開示を拒んできた(しかし当の清水氏は昨年の事故直後の記者会見の席上、「プライベートなことなので言えません」と述べていた)。

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筆者

大鹿靖明

大鹿靖明(おおしか・やすあき) 朝日新聞経済部記者

1965年、東京生まれ。早稲田大政治経済学部卒。88年、朝日新聞社入社。アエラ編集部などを経て現在、経済部記者。著書に第34回講談社ノンフィクション賞を受賞した『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』を始め、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』、『ヒルズ黙示録・最終章』、『堕ちた翼 ドキュメントJAL倒産』、『ジャーナリズムの現場から』がある。近著に『東芝の悲劇』。キング・クリムゾンに強い影響を受ける。

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