2012年07月24日
「橋下ブーム」とでもいえる現象が起きている。一部週刊誌などによると、今、選挙があれば橋下「維新の会」が大勝し、自民・民主を上回る第1党になるという。確かにメディアの使い方がうまく発言も歯切れがいい。また、多くの国民が既成政党に嫌気がさし始めていることもブームを後押ししているのだろう。
しかし、行政のトップとしての彼の業績はどうなのだろうか。職員を敵に回してパフォーマンスをしているようだが、社長が社員を悪しざまに言っている会社がうまくいくはずがない。発信力が大切でないというつもりはないが、行政のトップはまず行政の効率を上げ、仕事をすることが重要なのではないだろうか。
橋下市長の「白紙委任」発言をとらえて、読売新聞主筆、渡邉恒雄は次のように述べている。
「この発言から、私が想起するのは、アドルフ・ヒットラーである。第1次世界大戦の敗戦により、莫大な賠償金を課せられ、国民の間に既成政党への不満と閉塞感が渦巻いていたドイツに、こつ然と登場したヒットラーは、首相になったとたん『全権委任法』を成立させ、これがファシズムの元凶になった。橋下氏の『白紙委任』という言葉が失言でないとすれば、これは非常に危険な兆候だと思う。この点は彼にはっきりと説明を請うべきだろう。」(「文藝春秋」2012年4月号、101ページ)
同感である。ヒトラーに擬せられた橋下市長は不本意だろうが、
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