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ギリシャの危機、実は昔に戻っただけ

原田泰

原田泰 原田泰(早稲田大学教授)

 ギリシャの長期国債金利が30%近くにまで跳ね上がって、ギリシャは破綻してユーロからも離脱するのではないかと言われている。ギリシャだけでなくGIIPSと云われる国々(ギリシャ、イタリア、アリルランド、ポルトガル、スペイン)の金利も跳ね上がってドイツの長期金利と比べて4%から27%も高くなっている。なお、PIIGS言われていたが、この呼び名は失礼ということでGIIPSと言うことが多くなっているようである。

 ギリシャの金利だけを見ると30%近い。30%の金利を払うのでは、ギリシャはどれだけ緊縮財政を実行しても財政赤字を解消できないだろう。ドイツが助けるしかないと言われているゆえんである。

ギリシャの金利は昔も高かった

 しかし、に見るようにギリシャやGIIPS諸国の金利が高いのは今に始まったことではなかった。90年代まで、これらの国々の金利はドイツより5~6%高かった。確かに、ギリシャの現在の金利は高すぎるが、ギリシャ以外では現在と90年代とで大した違いはなかった。

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 なぜこれらの国で90年代末に金利が低下したのだろうか。答えは、これらの国々がユーロに加盟したからである。それ以前、これらの国々は独自の通貨を使い、インフレと為替レートの下落が恒常的であった。

 インフレや為替下落で、外国投資家にとってのGIIPS諸国の債券の実質価値は下落してしまうので、金利を高くしなければ誰も国債を買ってくれなかった。GIIPs諸国も高い金利を払いたくはないので国債の発行に歯止めがあった。

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筆者

原田泰

原田泰(はらだ・ゆたか) 原田泰(早稲田大学教授)

 早稲田大学教授。1974年東京大学卒業後、同年経済企画庁入庁、経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て、2012年4月から現職。「日本はなぜ貧しい人が多いのか」「世界経済 同時危機」(共著)「日本国の原則」(石橋湛山賞受賞)「デフレはなぜ怖いのか」「長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏他共著)など、著書多数。政府の研究会にも多数参加。

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