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 昨年3月の東日本大震災で急減した消費は、その後順調な回復をみせてきた。しかし、ここに来て異変が起きている。

 「家計調査」で2以上世帯の消費支出をみると、5月に前年同月比+4.0%まで高まった消費が、実質で6月+1.6%、7月+1.7%と、伸びが急減速しているのだ。また、住居費等を除く消費で見ると、5月の+2.7%に対して、6月▲0.4%、7月▲0.6%と、消費減速が鮮明に現れている。「住居費等」には自動車購入費が含まれているため、エコカー補助金がかろうじて消費失速を防いでいるものの、それ以外の部分では、消費はすでに減速を始めているとみてよいだろう。

 消費失速は、他の統計でも現れている。日本フランチャイズチェーン協会が発表した全国コンビニエンスストア主要10社の7月の売上高は、既存店ベースで前年同月比3.3%減と、2カ月連続のマイナスとなった。コンビニは、震災後の勝ち組だった。百貨店やスーパーが軒並み売上を落とすなかでも、コンビニだけは売り上げを大きく伸ばしてきたからだ。しかし、そのコンビニさえ水面下に沈んでいる。

 原因ははっきりしている。お金がないからだ。勤労者世帯の実収入は, 前年同月比実質▲2.2%、名目▲2.7%の減少となっている。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」でみても、7月の現金給与総額は、前年同月比▲1.2%と、3カ月連続で減少している。

 実は可処分所得への影響は、賃金下落だけではない。「家計調査」の勤労世帯は支払った個人住民税をみると、7月は前年同月比3034円も増えている。明らかに年少扶養控除廃止の影響が出ているのだ。

 こうしてみると、

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筆者

森永卓郎

森永卓郎(もりなが・たくろう) 経済アナリスト、獨協大学経済学部教授

1957年7月生まれ。東京都出身。東京大学経済学部経済学科卒業。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発(株)総合研究所、(株)UFJ総合研究所を経て、現在、経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。専門は労働経済学と計量経済学。そのほかに、金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。

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