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ベビーカー論争に見る公私の曖昧さ

城繁幸

城繁幸 「Joe's Labo」代表取締役

 ベビーカー論争を脇から見ていて、筆者は強いデジャブを感じていた。

 それは十数年前のことだ。ある企業内で従業員アンケートを実施すると、男性従業員から強い不満が出た。

 「短時間勤務や育児休業を取得していた女性とボーナスの差が少ないのはおかしい」

 一方、女性の側も反論はあって「短時間勤務とはいえ全力は尽くしている。なにより、育児を理由に会社はマイナス査定するべきではない」というもので、こちらも一見、筋は通っている。

 では、正しいのはどちらだろうか。もちろん、考えるまでもなく、男性の意見が正しい。会社は営利組織であって結果の公平さやまして再分配などに一切の責任を持つ必要はない。組織にとって最大限効率的なリソースの分配だけを心掛けておけばよい。だから、成果の少ない従業員への分配を減らすのは(たとえそれが出産や病気といった理由であれ)当然のことだ。

 というと、恐らく「そんなカルチャーだから日本の出生率は上向かないのだ!」と顔を真っ赤にしたフェミニストの反論が飛んできそうだが、日本以外の他国であってもこれは常識である。「取締役の半数を女性に」的な優遇策はあっても、成果を無視したリソースの分配まで強制しているケースなどない。

 逆に、

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筆者

城繁幸

城繁幸(じょう・しげゆき) 「Joe's Labo」代表取締役

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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