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 民主党の野田総理の支持が上向いている。逆に、安倍・自民党総裁の支持が陰ってきている。

 その理由に、最近、野田総理のハギレの良い主張が際立ってきていることが、挙げられるだろう。これまでは、民主党政権をなんとか維持しようとして、自分の意見をはっきり主張するのではなく、意見の対立する民主党内の融和を第一に考えてきた。財政再建を強く訴えて民主党の代表選挙に勝利したのに、消費税増税に対しては、選挙で勝てないと考える小沢一郎氏を中心とする党内反対派の反発を受けた。議論を重ねて、党内合意を得ようとしたのだが、多数の離党者を出してしまった。

 本年9月の代表選では、TPP参加問題、エネルギー政策、消費税増税で党分裂を招いた首相の責任問題などが争点となったが、野田総理は圧倒的な支持を受けて再選された。思いのままの政権運営を任されたはずだが、またしても、そうはいかなかった。

 政策についても政治手法についてもベクトルが逆を向いているような輿石幹事長に再任を要請し、政権維持のための党内融和を目指したが、小沢一郎氏離党後も、党内に残留した反対派は公然と野田総理を批判し続けた。他方、自民党からは、約束した「近いうちの解散」を執拗に求められ続けた。それなのに、民主党内では、解散への反対論が噴出し、輿石東幹事長が「党の総意」として解散すべきではないという意見をまとめ、野田総理に伝えに来た。

 この状況で、野田総理は捨て身の反撃に出た。来年夏の同日選挙では、民主党は惨敗する。年をまたぐと、第三極に政党交付金が出されてしまい、民主党はますます不利となる。解散するとすれば、

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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