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「30年代原発ゼロ」を「ないがしろ」にしたのは?

小森敦司 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

 「東京・溜池の高級ホテル内の中華レストランに、六人の男が極秘裏に集められた。招集したのは国家戦略担当相の古川元久だった」

 悔しいが、東京新聞に「特ダネ」を抜かれた。福島第一原発の惨状を目の当たりにした古川国家戦略担当相(当時)が原発ゼロを目指すと決め、今年8月22日、この6人の男に、新しいエネルギー戦略づくりを命じたというのだ。

 「六人衆」として紙面に紹介されたのは、元経産省改革派官僚の伊原智人氏や国家戦略室の小田正規氏、元TBSキャスターで内閣審議官だった下村健一氏、富士通総研の高橋洋氏、エコノミストの河野龍太郎氏、東京大学教授の松村敏弘氏だ。

 筆者の取材でも、その経緯を確認できた。この6人が中心になってとりまとめたのが、9月14日に政府から発表された「革新的エネルギー・環境戦略」のベースになっている。

 「抗勢力」の巻き返しで後退したものも確かにあるが、なにはともあれ、世界第3位の原発大国・日本が「2030年代に原発稼働ゼロ」を打ち出したことは、とても大事なことだった。脱原発を求めて官邸前などに集まった人々の声が、官邸の中に届いたと筆者は思いたい。

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筆者

小森敦司

小森敦司(こもり・あつし) 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

東京都出身。1987年入社。千葉、静岡両支局を経て、名古屋や東京の経済部に勤務、金融や経済産業省を担当。ロンドン特派員も経験し、社内シンクタンク「アジアネットワーク」では地域のエネルギー協力策を研究。現在、エネルギー・環境分野を担当、とくに原発関連の執筆に力を入れている。著書に「資源争奪戦を超えて」「日本はなぜ脱原発できないのか」、共著に「失われた〈20年〉」、「エコ・ウオーズ~低炭素社会への挑戦」。

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