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予断許さぬ2013年の世界経済~IMF予測の読み方~

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 先進国共通の問題は増大する政府の債務残高。日本がGDP比で2012年214%と最も高いが(OECD、2012年6月)、アメリカもイギリスも100%を突破してそれぞれ109%、104%に達している。この10年(2003 ̄12年)で日本はGDP比で56%の増加だが、アメリカも48%、イギリスも63%増大している。

 G7諸国はドイツ(89%)、カナダ(85%)を除いては軒並み100%を超え、どこの国でも財政赤字の削減が大きな政策課題になってきている。日本の財政赤字は2009年からGDP比で10%前後まで上がってしまっているが、アメリカの財政赤字もGDP比で7%にまで拡大し、財政赤字の削減が大きな政策課題になってきている。オバマ政権は10年間で2兆1,820億ドルの財政赤字削減を提案しているが、その実現性はかなり不透明だ。

 景気が世界的に低迷し続けるなかで、

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