メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

正規と非正規の格差を広げる賃上げ「プロレス」

城繁幸 「Joe's Labo」代表取締役

 安倍政権が企業に賃上げを呼び掛けている。賃金を増やすことで消費を活発化させるのが狙いだそうで、甘利経産相にいたっては「つぎはファミリーマートだ」と名指しで指名するほどの熱心さだ。連合を支持母体とする故・民主党でもここまで露骨なことはやらなかったから、自民党も変わったものだ。

 では、実際に政府の目論見通り、労働者の賃上げは進むのだろうか。

正規と非正規雇用の格差が拡大する

 安倍総理の呼び掛けに真っ先に反応したローソンをモデルに考えてみよう。「子育て世代の生活を下支えする」といって賃上げの先陣をきったローソンではあるが、賃上げ対象はあくまでも3300人の正社員のみ。店舗で働く約20万人のバイトは賃金据え置きだから、(仮に安倍総理の目論見通り年2%程度のインフレが実現すれば)彼ら20万人の非正規雇用労働者は実質的な賃下げとなる。

 同様のことは日本中の正社員と非正規雇用、大手企業と下請け中小企業の間で発生するだろうから、格差は拡大することになる。

ほとんどの労働者の賃金は上がらない

 とはいえ、末端労働者の賃下げで企業業績が伸びれば、景気自体は良くなるかもしれない。その結果として、全ての労働者が賃上げという恩恵を受けられるのではないか、という期待を持っている人が多いように見える。

 だが、残念ながら、ほとんどの労働者の実質賃金は横ばいか、むしろ下がるというのが筆者の考えだ。

 たとえば、 ・・・ログインして読む
(残り:約783文字/本文:約1380文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

城繁幸

城繁幸(じょう・しげゆき) 「Joe's Labo」代表取締役

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。

城繁幸の記事

もっと見る