2013年03月26日
安倍政権はTPP参加表明とともに、農業の競争力強化を掲げている。2月18日の産業競争力会議で、安倍総理は、「農業を成長分野と位置付けて産業として伸ばしていきたいと思います。特に、農業の構造改革の加速化、農産品・食品の輸出拡大であります(中略)。日本の農業は弱いのではないかという思い込みを変えていくということが重要ではないかと思います。」とあいさつしている。国会の答弁でも、TPP参加と関連して「攻めの農業」が語られている。
しかし、この両者の間に齟齬はないのだろうか?自民党は、コメ、麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖やでんぷんなどを重要品目として位置づけ、TPP交渉において、関税撤廃の例外を要求し、実現できなければ、交渉から脱退すると決議している。もし、安倍総理が主張するように、日本農業が弱くないのであれば、堂々と関税撤廃に応じればよいのであって、その例外を主張する必要はない。もし、日本農業が弱くて関税撤廃に耐えられないため、TPP交渉でその例外を実現するか、できなければ脱退するというのであれば、現状のままでよいというものであり、特段強くする方策を検討する必要はない。
私は、意地悪な疑問を提起しているのだろうか?ある人は、「そうではないのだ。日本農業は衰退が激しいので、TPP参加いかんにかかわらず、強化策を講じなければならない。」と主張するだろう。確かに、
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