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少子化時代の就職活動、人材開発は社会の責務(上)

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 「初音ミクなど、日本人でも一般の人は知らないようなものが、実はユーチューブを通じて世界中の人が見ている」。ニコニコ動画を運営するドワンゴの川上量生会長の発言である。日本発のキャラクター名が飛び出したのは、2月13日に第一回会合が開かれ、安倍首相も出席した官邸の政策会議「若者・女性活躍推進フォーラム」だった。官邸サイトでは、「若者や女性等の直面する課題の抜本的な解決方策を検討する」と位置づけている。

 より具体的な論点整理では、以下の4つの柱をあげている。

  1.一度失敗するとやり直しがしにくい単線的構造

  2.企業が求める人材ニーズ

  3.社会人の学び直し

  4.女性の潜在力の活用

 3月15日の第2回会合では、上記2の「企業が求められる人材ニーズ」が議論され、政府が、就職活動の解禁時期を4年生の4月以降に変更するように経済界に要請するとのニュースが生まれた。ちょうど3年生のエントリーシートの締切時期とも重なり、ネットの話題も急上昇した。

 

 小泉議員はアメブロで「テーマは、就職活動について。国会議員になって初めての官邸に行ってきます」と簡単に書き込み、与党を代表してともに参加した公明党の谷合正明議員は「就活の時期を4年以降に遅らせること、学生全員が留学できるようにすること、中小企業が参加しやすいインターンシップの推進など」とツイッターでつぶやいている。

 さらに、出席者の一人、NPO法人「育て上げ」ネットの工藤啓理事長は「参加議員の方々は可能な限り後ろ、できれば夏休み後というところでまとまっていた印象があります」とつぶやいている。小泉議員は、UR賃貸住宅の空き部屋を使う地方学生の応援プロジェクトも提案した(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ywforum/dai2/siryou6.pdf)。仕組みは、東京都心まで一時間圏内にある空き部屋を大学などが借り上げて、国が費用の3分の1を補助して、学生に就職活動の拠点を提供するというアイデアだ。恩恵を被るのは首都圏以外の大学生となる。東京近郊で空室ということは、賃貸料が高い物件の活用である。UR都市機構が大学に呼びかければ、補助金がなくても実現できる事業だろう。

就活の解禁時期を遅らせると、得するのは学生と大企業だ

 さて、就職活動の解禁時期を遅らせると、誰が得をするのか考えてみたい。まず学生目線なら、就職活動の解禁時期が遅れれば遅れるほど、大歓迎である。文系学部の視点では、 ・・・ログインして読む
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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

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