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黒田日銀の異次元緩和で続く円安局面

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 黒田日銀の「異次元金融緩和」によって為替相場は円安局面に入ってきている。2012年5月から10月にかけて1ドル80円を切っていた円ドルレートは11月には80円を上回り、2013年1月には90円を突破、4月に入ると1ドル100円を窺う局面になってきている。4月18~19日に開催されたG20でも日本の金融緩和策は容認され、懸念されていた円安批判は表面化しなかった。

 低金利・量的緩和で先行したのはアメリカとヨーロッパ。ヨーロッパはギリシャ危機などを受けて2011年11月には政策金利を1.5%から1.25%へ、さらに12月には1.00%まで引き下げ、2012年7月には0.75%と6か月前から半減させている。

 アメリカはリーマンショック後、政策金利を0.25%まで引き下げ、2008年11月から2010年6月にかけてQE1(第1次量的緩和・1兆7,250億ドル)、2010年11月から2011年6月にはQE2(第2次量的緩和・6,000億ドル)、2012年9月にはQE3 (第3次量的緩和・月額4,000億ドル)を実行している。

 こうした欧米の金融緩和を受けて円相場は2008年末から円高に転じ、

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