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株価急落はアベノミクスの失敗?! 中国失速では説明できない市況

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 一般投資家や先物取引で注目される株価指数、日経平均株価(NIKKEI 225)が23日、変動率で前日比7・3%(変動幅で1143円28銭)安の1万4483円98銭となった。一方、機関投資家のベンチマーク、TOPIX (東証株価指数)は、変動率で前日比6・9%安(87・69)の1188・34ポイントとなった。

 NIKKEI 225の下落率としては過去10番以内に入る大きなものだった。長崎市内に届いた朝日新聞には「アベノミクス危うさ露呈」、「中国発、売りが売り呼ぶ」(西部本社10版)、西日本新聞には「安倍相場に冷や水」の見出しが記されている。オンラインニュースも含めると、中国の経済指標の悪化を理由として、挙げるコメントも散見される。アベノミクスの円安による株高は終わるのだろうか。

 実際に様々な戦略や、期待と恐怖から、巨額マネーを動かしている内外の多数の投資家(コンピュータのプログラム取引や個人のオンライン投資家の先物取引も含めて)によって、形成される価格を説明するのは容易ではない。対外的にコメントが許される金融仲介業者の調査担当者が巨額マネーを動かしているわけではない。彼らも投資決定の権限がない以上、パソコン上で、ブルームバーグやロイター、クィックが伝える価格変動の観察者のひとりに過ぎないことになる。

5月末はヘッジファンドの半期末

 市場第一線の世代交代は早い。1980年代後半の日本のバブル景気はおろか、世界的なIT相場を知らない世代が主流である。ほぼ10年ぶりの日本株式上昇()で、ジェットコースターのような気分、高値警戒感がもたげていたとしても不思議ではない。これまでの上昇は急角度で「ロケット相場」と表現できるほど、確かに上昇テンポが速かった。

拡大

 5月末は、かなりのヘッジファンドが半期末に当たるため、利益確定から下落要因として、もともと警戒されていた。円相場や日本株式の上昇のおかげで、ボーナスの回復のほか、 ・・・ログインして読む
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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

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