2013年05月27日
5月23日は株価がマイナス7.3%と大きく下げ、24日も大きく乱高下した。週が明けた27日も株価はさらに下がった。
株価の暴落とその後の乱高下を見て、アベノミクスは失敗だと論ずる気の早い向きもあるが、私はそうとは考えない。
まず、株価とは大きな理由がなくても大きく動くものである。株に値段が付くということはそれを売る人と買う人がいるからである。買う人はまだ上がると思い、売る人はもう下がると思っている。そうでなければ値がつかない。ファイナンス理論とは、この洞察から始まる理論である。
だから、現在の株価については、まだ上がると思っている人とまだ下がると思っている人がまあ半分ずついるということである。すると、ちょっとしたことで株価が大きく動くのは不思議ではない。釣り合っているやじろべえは、釣り合っているからこそ少しの力で大きく振れるのである。1987年10月19日の世界的な株価の大暴落、ブラックマンデー(ダウ30種平均が22.6%下落)も、なぜ下がったのか現在でもよく分かっていない。その後株は持ち直し、アメリカ経済は不況にも陥っていない。
昨年11月から、安倍晋三現総理が選挙戦で大胆な金融緩和を訴え、現実に黒田東彦日銀新総裁がマネタリーベースを2014年末までに倍にするという政策を打ち出し、暴落前までに株は7割以上も上がった。出発点は9000円である。
証券会社の利益予想などでは、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください