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 しかし、現在最大のストレス・テストは日銀にかかっているといえる。いうまでもなく、ここまでアベノミクスが成功してきたのは「第一の矢」のおかげであった。この矢が折れることがあるならば、アベノミクスは崩壊する。

 私は現時点での情報で判断する限り、黒田日銀は金融政策のレジーム転換を成し遂げたと思っているし、これで「第一の矢」が折れることもないと考えている。

 なによりも重要なことは、黒田日銀が、ほぼ2年間でインフレ率を2%にすることにコミットしていることだ。このコミットメントがある限り、具体的にどう緩和を行うかは日銀の判断による。その時に決めた緩和規模については、4月4日の公表分でも「『量的・質的金融緩和』は、2%の『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続する。

 その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う」としている。総裁記者会見でも黒田総裁は「戦力の逐次投入をしない」の後に、「現時点で必要な政策を全て講じた」と説明している。

 また「戦力の逐次投入はせず」に関連して出た「とりあえず、現在考えられるメニューは、今回で全て出し尽くしたという感覚でよいのでしょうか」という質問に対しては、 「今回、必要な措置は全て採ったと言ってよいと思います。もちろん、 ・・・ログインして読む
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筆者

若田部昌澄

若田部昌澄(わかたべ・まさずみ) 早稲田大学政治経済学術院教授(経済学史)

早稲田大学政治経済学術院教授。1987年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学、ジョージ・メイソン大学、コロンビア大学客員研究員を歴任。専攻は経済学史。著書に『経済学者たちの闘い』(東洋経済新報社、2003年:増補版、2013年)、『危機の経済政策』(日本評論社、2009年:第31回石橋湛山賞)。共著に『昭和恐慌の研究』(東洋経済新報社、2004年:第47回日経・経済図書文化賞)。

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