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東大のクォーター制導入は早慶や地方大学の後追いだ

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 熊本県出身の学生が欠席届を持ってきた。母校の高校から卒業生パネリストとして迎えられたらしい。学生に声をかけると、「国公立だから呼ばれた!」という。私学出身者には、ちょっと自慢げに聞こえた。

 長崎市内のある高校進路相談室には「東京大学は挑戦する価値のある大学です」と檄文が掲げられている。その高校のホームページを見ると、東大の佐藤愼一副学長(入試担当)が2012年12月に実施した演題のテーマがあった。

 佐藤副学長は「日本全国から多様な学生を集めたいと思っています。多様な個性や背景を持つ学生が集まって切磋琢磨する環境が、学生の成長に必要だからです。東大の学生の多様性をより完全なものに近づけるためには、地方出身者、公立高校卒業生、そして女子学生の比率を高めたいと考えています」と講演している。

 地方ではもともと、公立高校、そして東大など旧帝国大学(注)をはじめとする国公立志向が根強い。さらに少子化で東大でさえ、地方の進学校にプロモーション活動をしているところが21世紀的風景である。7月以降、全国各地の大学で高校生を対象とするオープン・キャンパスが開催される。東大も例外ではない。今年度は8月7~8日に開催される。

http://www.u-tokyo.ac.jp/event/opencampus2013/index_j.html

東大は秋入学への全面移行を見送る 

 東大は2015年度末までにクォーター制を導入する方針を固め、7月末に正式決定するという。導入を目指していた秋入学への全面移行は当面、見送られる。

http://www.asahi.com/national/update/0619/TKY201306190102.html

 クォーター制は、例えば、現行の前期、後期の2学期(セメスター)を2分割することで実現できる。学期が半分になっても、同一科目で一週間に2回、授業を実施すれば、単位取得に必要な時間は変わらない。学生にとっては4~5月の第1クォーターの後、6月以降の第2クォーターと夏休みを組み合わせると、海外大学が実施するサマースクールや長期のインターンシップに参加しやすくなる。

 クォーター制はすでに慶應義塾大学、早稲田大学、九州大学、徳島大学、鳥取大学、福山市立大学、高知工科大学など設置主体を超えた各地の学部や大学院で採用されている。東大が後追いした形になる。

 今日では、

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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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