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 ブラック企業の定義は、いまだ明確になっていないが、一般的な理解では、度を超えたノルマやサービス残業やきつい仕事を課す企業のことを言うのだとみられる。

 こうした仕事の与え方は、エリート層については、世界共通で行われている。どの国でも出世の階段を駆け上がっていくようなエリートにとって、高い目標設定とハードワークは、受け入れなければならない義務だ。

 日本でも、霞ヶ関のキャリア官僚は昔からハードワークが常識になっているが、財務省や経済産業省がブラック企業と呼ばれたことはない。キャリア官僚にとっては、当然の働き方だからだ。

 日本が特殊なのは、そうしたエリート以外の一般労働者に対しても、サービス残業が常態化していることだ。私が知る限り、残業代がすべて支払われている会社は、ほとんどない。自分自身の経験でも、残業代が完全に支払われたのは、日本専売公社の主計課で働いたときと、三井情報開発総合研究所で働いたときだけで、いずれもバブル期以前の話だ。

 だから、ブラック企業の定義を緩やかにすると、日本中のほとんどの企業がブラック企業ということになってしまう。こんなことは、海外では起きていない。

 しかし、政府が本気でブラック企業を退治しようと思うのであれば、それはむずかしいことではない。ブラック企業のやっていることは、 ・・・ログインして読む
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筆者

森永卓郎

森永卓郎(もりなが・たくろう) 経済アナリスト、獨協大学経済学部教授

1957年7月生まれ。東京都出身。東京大学経済学部経済学科卒業。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発(株)総合研究所、(株)UFJ総合研究所を経て、現在、経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。専門は労働経済学と計量経済学。そのほかに、金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。

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