2013年08月03日
「課長 島耕作」の第一回は83年だから、かれこれ30年ほど連載が続いている計算になる。まさに団塊世代とともに歩んだ「団塊世代を象徴する作品」というべきだろう。
もちろん、団塊ジュニア世代の筆者はリアルタイムでは読んではいない。ある程度通して読んだのは90年代になってから。その時は何とも言えない違和感があったのをよくおぼえている。
違和感の理由ははっきりしている。学生の自分からすると、社長から取締役、部課長にいたるまで、役付き登場人物のほとんどが男性で、しかもそのすべてが何のためらいも見せずに平然と不倫を楽しみ、中でも主人公が一番盛大に楽しんでいるという世界観に、どうやって入りこんだものか当惑してしまったのだ。
ただ、自分が大企業のサラリーマンになることで、ようやく自分なりに納得できた。そこには島耕作で描かれたとおりの価値観に支配された世界が広がっていたからだ。ポストのほぼすべてを男性が独占し、女性は一般職や派遣と言ったサポート的役回りしか与えられない。男社会だから「遊びも甲斐性のうち」なんて男にとって都合の良い価値観がまかり通る。
まあ実際はあんなに遊び回る男はいないにしても、
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