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変調を来す新興市場国の政治と経済

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 過去10年近く平均10%前後の成長率を達成していた中国経済が大きく減速し始めている。

 2013年第一四半期の成長率は7.7%、2013年全体のそれは7.5%程度になると予想されている。総額130兆円を超えるというシャドーバンキングが問題になり、不良債権問題が大きなネックになる可能性が出てきているのだ。

 中国経済が一気に崩壊することはないにしても、今までの高成長のゆがみが次第に顕在化していく可能性は低くない。加えて、2013年からは習金平・李克強体制に移行。その権力基盤はまだまだ脆弱だと言われている。

 常務委員人事を巡っては胡錦濤と江沢民の間で激しい権力闘争が展開されたようで、太子党の習金平と共青団出身の李克強との間にも若干の溝があるようだ。いずれにせよ経済成長が大きく減速する中で新たな権力基盤を固めていくことはそう簡単ではないだろう。

 インド経済もかつての7~8%から成長率が5%台に低下。また大量の金購入、石油価格の上昇で

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