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TPP累積原産地規則で日韓競争力が逆転する!?

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

 原産地規則とは、ある産品がどの国や地域で作られたかを判断するための規則である。世界中の加盟国を平等に扱うことを原則とするWTO(世界貿易機関)では重要な規則ではないが、複数国間の関税撤廃などを目的とするFTA(自由貿易協定)では極めて重要な規則となる。なぜなら、FTAの本質が「差別」にあるからである。

 FTAは加盟国間だけの貿易を自由化するものである。A、B、Cの国のなかで、A国とB国がFTAを結んだとする。A国はB国からの無税での輸入は認めているが、C国からの無税輸入は認めていない。

 しかし、FTAに参加しないC国からB国へ完成度の高い製品が輸出され、B国でわずかな加工が加えられただけでA国に輸出されると、このような実質的にはC国産の製品も無税でA国は輸入せざるをえないことになりかねない。原産地規則とは、このような場合を排除しようとするものである。

 原産地規則には、協定や品目によって、異なる方法がとられる。関税分類番号が変更されたかどうかとか、特別の加工が加えられたかどうかで、どの国の産品かが判断される場合もある。

 自動車や機械などでは、

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

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