2013年10月05日
MOOCs(ムークス)という言葉をご存じだろうか。インターネット上で「誰にもオープンで、どこでもオンラインで受講でき、一流大学の教授陣が大学や大学院の講義をし、基本的に無料」という学習サイトのことだ。2年ほど前から米国や英国の有名大学がグループを作ってサイト運営を始め、受講者は世界で爆発的に増えている。その陰でこれを商機と捉え、新たなビジネスモデルを模索する動きが盛んになっている。
一方で、後述する米国の「カーン・アカデミー」(http://www.khanacademy.org/)のように、非営利で教育の機会のない人たちに無料授業を提供するサイトも活気に満ちている。日本でもコンピュータープログラミングを無料で教えるサイト「ドットインストール」が利用者を増やしている。
ネット無料授業は教育や雇用のあり方を一変させる可能性を秘めている。内実はビジネス志向を強める大学のMOOCsと、社会貢献を理念にするサイトの二極化が進み、競い合う形になっている(下の表)。
世界の大学がMOOCsに乗り出す背景の一つはそれぞれの危機感である。表にあるように、日本では東京大学がコーセラに、京都大学がエデックスに参加している。東大・京大は国内では有名でも世界ランキングは低い。世界大学評価機関によると東大は32位、京大は35位で、アジアではシンガポール国立大の24位、香港大学の26位を下回っている。
低ランクの原因は、英語が学内であまり通用せず留学生に敬遠されていること、外国人教員が少ないことなどだ。両大学とも世界から優秀な学生や研究者を集めるには、グループに参加して学問レベルの高さやオープンな姿勢をアピールする必要があると判断した。
東大は宇宙論で有名な村山斉特任教授による「ビッグバンからダークエネルギーまで」と、政治学者の藤原帰一教授による
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