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失敗だった三行統合~内戦が招いた銀行の劣化~

山田厚史 デモクラTV代表、元朝日新聞編集委員

 「銀行に反省なし」。見せつけてくれたのが、みずほ銀行の甘い処分だ。佐藤博康頭取(興銀出身)は月額報酬を半年返上することで職に留まった。持ち株会社・みずほフィナンシャルグループ(FG)の社長も継続する。

記者会見の冒頭、頭を下げるみずほ銀行の佐藤康博頭取(中央)=2013年10月28日午後、東京都中央区記者会見の冒頭、頭を下げるみずほ銀行の佐藤康博頭取(中央)=2013年10月28日午後、東京都中央区

 塚本隆史会長は辞任したが責任を取って辞めるのでない。みずほFG会長として残る。肩書きが一つ消えただけである。

 クビになったのはリスク管理担当の小池正兼常務執行役員、コンプライアンス担当の大谷光夫執行役員の二人。トカゲのしっぽが切られトップは温存された。

 記者会見で深々と頭を下げ、反省したそぶりを見せながら、経営体制はそのまんま、である。

 そもそも暴力団融資に端を発した今回の不祥事は、何が問題だったのか。結論からいえば「経営の無責任体制」が露呈したことである。

 始まりは2億円余の暴力団融資。信販会社のオリエントコーポレーション(オリコ)が仲介した中古車ローンに暴力団関係の顧客がいた。暴力団取引の絶滅は政府の重点課題である。だがみずほ銀行は放置した。

 カネが返ってこなくてもオリコが弁済する仕組みになっていた。トラぶっても銀行が損するわけではない。暴力団相手の融資回収はやっかいだ。

 問題の融資は西堀利頭取(当時)に報告され、取締役会など重要な会議に8回も資料が出されている。うち4回には佐藤頭取も出席していた。

 「知る立場にあったが、記憶にない」。佐藤頭取は珍妙な弁明を繰り返している。取締役会の書類を読まず「知らなかった」という。重要な報告を4回も見逃す銀行員が

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