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 日本の財政は、確かに大借金を抱えている。しかし、ニッチもサッチも行かないのかと言うと、必ずしも、そうではないということを前回は検証した。

 そのことを最も良く示しているのは、日本政府が借金の証文として発行する国債の流通利回り(金利)は、先進国の中で最低水準であることであろう。低い金利で借金できるということは、日本政府、日本国債に対する信用度が高いことに他ならない。

 ちなみに、政府が、自国の通貨建てで借金をし(国債を発行し)、自国の中央銀行があり、その中央銀行が、無制限に自国の国債を買い入れて、その代価として、政府に中央銀行自身が発行する自国の通貨を供給するなら、政府が借金の元利返済ができない、すなわち、債務不履行(倒産)状態に陥ることはない。

 もっとも、中央銀行が、政府に無制限にカネを貸せば、政府は債務不履行に陥ることはないが、中央銀行が通貨を発行し過ぎれば、ある段階を超えれば、超インフレも起きうる。第1次・第2次世界大戦後のドイツ、第2次世界大戦後の日本でも起きた歴史的名事実がある。

 日本の政府の債務残高は、総債務残高で見ても、純債務残高(=総債務残高―総資産残高)で見ても、増大しているのは事実である。理由は簡単で、財政赤字が埋まらないからである。

 では、なぜ財政赤字が埋まらないのか。財政の歳出が大きすぎるか、税収などの歳入が小さすぎるか、あるいは、この双方が原因であるのは誰でも容易に想像がつこう。

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 そこで、国(中央政府)に入る税収は、如何に推移して来たかを、虚心坦懐に、データに基づいて考えてみたい。

 まず、ここ数年の間、増税が議論されてきた消費税に注目してみよう。その税率は、来年4月の2014年度初めからは、1997年度以降の5%が17年ぶりに8%に引き上げられ、

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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