2013年11月05日
日本の財政は、確かに大借金を抱えている。しかし、ニッチもサッチも行かないのかと言うと、必ずしも、そうではないということを前回は検証した。
そのことを最も良く示しているのは、日本政府が借金の証文として発行する国債の流通利回り(金利)は、先進国の中で最低水準であることであろう。低い金利で借金できるということは、日本政府、日本国債に対する信用度が高いことに他ならない。
ちなみに、政府が、自国の通貨建てで借金をし(国債を発行し)、自国の中央銀行があり、その中央銀行が、無制限に自国の国債を買い入れて、その代価として、政府に中央銀行自身が発行する自国の通貨を供給するなら、政府が借金の元利返済ができない、すなわち、債務不履行(倒産)状態に陥ることはない。
もっとも、中央銀行が、政府に無制限にカネを貸せば、政府は債務不履行に陥ることはないが、中央銀行が通貨を発行し過ぎれば、ある段階を超えれば、超インフレも起きうる。第1次・第2次世界大戦後のドイツ、第2次世界大戦後の日本でも起きた歴史的名事実がある。
日本の政府の債務残高は、総債務残高で見ても、純債務残高(=総債務残高―総資産残高)で見ても、増大しているのは事実である。理由は簡単で、財政赤字が埋まらないからである。
では、なぜ財政赤字が埋まらないのか。財政の歳出が大きすぎるか、税収などの歳入が小さすぎるか、あるいは、この双方が原因であるのは誰でも容易に想像がつこう。
そこで、国(中央政府)に入る税収は、如何に推移して来たかを、虚心坦懐に、データに基づいて考えてみたい。
まず、ここ数年の間、増税が議論されてきた消費税に注目してみよう。その税率は、来年4月の2014年度初めからは、1997年度以降の5%が17年ぶりに8%に引き上げられ、
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