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今もくすぶり続ける欧州経済危機

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 欧州中央銀行(ECB)は、さる11月7日に定例理事会を開き、ユーロ圏17か国の主要政策金利を0.25%引き下げ、史上最低の0.25%にすることを決定した。デフレ懸念に対する対策だともいわれている。

 欧州委員会はユーロ圏経済は底を打ち、2014年の実質GDPは1.1%増加するとの見通しを発表しているが、回復は緩やかなもので欧州危機が終焉したとはとても思えない現状だ。

 他方、ギリシャに対する支援協議は難航し、ユーロ圏諸国が10月に予定していた10億ユーロの融資は協議が進展するまで実行されず、越年の可能性もあるといわれている。逆に、ギリシャでは民間と公務員の労使組合は政府による財政緊縮策に反発し、11月6日に24時間のゼネストを行っている。

 ギリシャの2013年の失業率は27.6%と2009年(9.1%)以来上昇が続いている。6年間で20%も失業率が増加しているのだ。しかも若者(15 ̄24歳)の失業率は2013年には64.9%、若者の三分の二が職を得られない悲惨な状況なのだ。ゼネストが実行されるのも

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