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テスラの火災事故でパナソニックに思わぬ暗雲

永井隆 ジャーナリスト

テスラ・モーターズの高級セダン「モデルS」拡大テスラ・モーターズの高級セダン「モデルS」

 米電気自動車(EV)大手、テスラ・モーターズの高級セダン「モデルS」が5週間の期間で3件の火災事故を起こしたことを受け、米道路交通安全局(NHTSA)が調査を始めている。

 「モデルS」は同社初の量産車として昨年6月に発売。価格は7万ドル~10万ドル(約700万円~約1000万円)するが、累計販売台数は1万9000台を超える。1充電で500kmとガソリン車並みに走り、来春には日本でも発売を始める計画だが、安全は担保できるのだろうか。

 NHTSAの調査から仮にリコール(回収・無償修理)となったり、一連の火災事故から販売に勢いがなくなれば、リチウムイオン電池をテスラに供給するパナソニックの経営にも影響を与えてしまう。経営再建を急ぐパナソニックは、「モデルS」の販売好調を受けて電池増産のための設備増強を決めた矢先でもある。

 東京モーターショーを前に来日したテスラ幹部は11月19日の会見で、「3件とも事故の衝撃により発火した。自然に車両から火が出たわけではない。いずれのケースも、ドライバーと同乗者は全員無事だった」と話した。

 とはいえ、ドライバーは誰もが“ジェームス・ボンド”ではないし、同乗者が“ボンドガール”でもない。事故に遭った直後、出火する前に車外に離脱するわけだが、冷静さと迅速さは求められる。車両火災が起きれば、たいていの人は危険を感じるし消防車両も出動する。

 同じEVでも2010年12月に発売の日産自動車「リーフ」は、累計販売が9万台を超える。が、これまで火災事故は一件も発生していない。ゼネラル・モーターズの「ボルト」は累計約5万台だが、やはり火災は起こしていない。

 なぜ、テスラの「モデルS」だけが火災事故に見舞われているのか。

 まず、火元は何かといえば、リチウムイオン電池だ。同電池内部には可燃性の電解液が注入されている。「電解液は、揮発性が高いガソリンではなく灯油に近い性質。爆発はしないが、 ・・・ログインして読む
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筆者

永井隆

永井隆(ながい・たかし) ジャーナリスト

ジャーナリスト。1958年生まれ、群馬県桐生市出身。明治大学卒。1992年、勤務先の新聞社が実質的に経営破たんし、新聞を休刊。これに伴い失業を経験。93年にフリーで独立。新著に「サントリー対キリン」(日本経済新聞出版社)。著書に「人事と出世の方程式」、「国産エコ技術の突破力!」、「ビール最終戦争」、「敗れざるサラリーマンたち」など。

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