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[6]日本の人口は、急減期入り?・・・カネがなければ、結婚もできない、子も産めない

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 経済的な議論の根幹の一つは、人口である。経済との関連で人口を論議する場合には、規模だけではなく、年齢別構成、男女別構成、教育水準など、さまざまな側面が問題と成り得よう。本シリーズの回数が進む前に、『人口問題』に触れるのも有意義であろう。

 まず、世界人口の規模の歴史的な推移を見よう。推計には諸説、幅があるが、大まかには、以下のように整理できよう。

 西暦紀元元年には2億人、コロンブスが、アメリカを『発見』した直後の1500年、16世紀初頭には5億人、イギリスで産業革命が始まった直後、今から2百年余り前の1800年、19世紀初頭には、約10億人、20世紀初頭には16億人、今世紀初頭には、60億人、今年、2013年半ばには71億人であったと。

 上記の数字で明らかなように、最近2百年間余りは、人類史の中でも、人口が加速度的に増加した特異な時期であったと言えよう。

 産業革命前の社会は、基本的には農林水産業などの第1次産業主体であった。したがって、人口の規模が、その国の経済活動の規模、要するに食料生産の規模に、ほぼ比例していたのである。

 日本の人口規模は、関ケ原の戦いがあった1600年頃には1200万から1500万人(諸説により、推計に幅)明治維新後に戸籍制度が出来た1872年(明治5年)には3300万人になった。

 日米開戦の前年の1940年(昭和15年)には7200万人(以下、各年10月1日時点)、1948年には8000万人、1967年には1億27万人と、1億人突破、2008年には1億2808万で史上最高水準に達した。

 2010年の国勢調査結果では、1億2806万人であった。2013年10月には1億2730万人と、総務省統計局により推計・公表されている。2008年に比べて、78万人の減少である。

 2012年10月1日時点の日本の総人口(1億2752万人)に関しては、総務省統計局が、男女別、年齢別の推計値を公表している。

 この数字をグラフ化して見ると、幾つかの興味ある点が浮かび上がる。

 第1は、第2次世界大戦直後に生まれた『団塊の世代』は、既に

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