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米国の株価バブル・・・中央銀行が、軟着陸的な収束に成功した例はない

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

米国連銀のジレンマ・・・株価は上ったが、景気回復へのペースは余りにも緩慢

 米国の主要株価指数の水準が、史上最高水準を更新している。株価が上がるのは景気拡大の前兆で結構ではないか、何が問題なのか?

 これが、米国の株価高騰に対する通常の反応であろう。

 2007年夏以降の金融危機勃発、2008年秋のリーマンショック前の2006年、2007年前半に、「株価が上がり過ぎるのは問題だ」「経済的な大災禍の前兆」と論じ、警鐘を鳴らす論者は、他の大多数の論者から一笑に付され、同じく大多数の株式市場参加者の参加者からは迷惑がられるのが落ちであったろう。

 しかし、2007年夏以降、2008年秋以降の米国株価の大暴落に端を発した世界的な株価同時大暴落、世界的な深刻な不況は、既に『歴史』になったと言っても、差し支えなかろう。

拡大

 米国連銀は、2007年夏の金融危機勃発に直面して、2008年末までに政策金利(フェデラル・ファンド・レート)の誘導目標を0・00%~0・25%の幅にまで引き下げ、不動産担保証券、米国国債などを大量に買い上げる量的緩和政策まで始めた。

 理由は明白であった。

 第1に、証券価格の急落で破綻の危機に瀕した米国の金融機関を救済するためであった。

 第2に、金融機関の救済を通じて、金融システム全体を機能不全から復旧し、米国の個人・法人企業が正常な経済活動を継続・拡大(景気回復・拡大)するための金融を

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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