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[3]若者の格差は拡大、高齢者間の格差は縮小

原田泰 原田泰(早稲田大学教授)

 正規と非正規の格差から離れて、そもそも日本の所得格差はどういう状況にあるのだろうか。

日本の所得格差の実情は

 多くの人が、格差が拡大していると論じ、それが大問題になっている。しかし、多くの検証によると、格差拡大は高齢化に伴う現象で、高齢化の影響を調整してみると、格差はそれほど広がっていない。

 所得の差は年齢が上がるにつれて開いていくため、もともと高齢者は他の年齢層に比べて格差が大きい。高齢化で所得のばらつきが大きい人々が増えれば、社会全体の格差も広がるというのである(大竹文雄『日本の不平等』第1章、日本経済新聞社、2005年)。

 図2は、年齢ごとのジニ係数を年次ごとに見たものである。ジニ係数とは全く平等ならばゼロ、一人の人がすべてを持っていれば1となる不平等度の指標である。指標が大きいほど格差が大きいことになる。

 これによると、40歳代以下を除いて、年齢ごとの格差はむしろ縮小している。年齢ごとの格差が縮小しているのに、社会全体での格差(図の一番右の平均)が大きくなっているのは、格差の大きい高齢者が増えたから、すなわち、

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筆者

原田泰

原田泰(はらだ・ゆたか) 原田泰(早稲田大学教授)

 早稲田大学教授。1974年東京大学卒業後、同年経済企画庁入庁、経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て、2012年4月から現職。「日本はなぜ貧しい人が多いのか」「世界経済 同時危機」(共著)「日本国の原則」(石橋湛山賞受賞)「デフレはなぜ怖いのか」「長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏他共著)など、著書多数。政府の研究会にも多数参加。

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