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地方の学生を忘れるな―首都圏就活の負担は1人100万円超も

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 12月に入り、2015年3月卒業予定の学生・大学院生を対象とする民間企業の採用活動がスタートした。

 すでに各大学就職課(キャリアセンター)やメディア系の新卒向け求人情報会社により、各大学別企業説明会、三大都市圏や福岡など拠点都市における合同説明会の案内が開催されている。各大学や求人情報会社などは、エントリーシート(履歴書、自己PR、志望動機などの応募書類)、面接などの対策講座を開講し、スーツ姿の学生がキャンパスに目立ち始めている。

 採用活動と就職活動を支援する新卒情報サイトは、マイナビ、リクナビ、日経就職ナビ、ブンナビ、en学生の就職情報、朝日学情ナビと乱立気味である。準備不足、のんびり屋の学生は新卒情報サイトの登録やドーム球場など巨大な合同説明会の参加で、採用活動を体感している。遠隔地の大学はバスをチャーターして対応している。

 あるオンライン金融会社(首都圏)は、エントリーシートの一部を手書きにし、郵送受け付けすることで、応募者数を抑えている。従業員約400人で採用担当者は3人に過ぎないという。別の金融機関は、説明会出席前のプレエントリーの段階で、2000字以内の自己PRを学生に求めている。

 今や新聞社も2000字の作文試験を課していない。ドワンゴの受験料徴取は、IT企業らしい柔軟な発想から、応募者厳選と情報発信力を備えた一石二鳥の試みである。採用チームが小規模なベンチャー企業に広がることはあっても、伝統企業には拡大しないだろう。大学・ゼミ単位のリクリーターなど、人海戦術で伝統的な選別方法は有効と考えるのだろう。

 現在の採用活動の期間は2004年度から採用され、10年が経過した。すでに経済団体連合会は来年度から、採用活動についての申し合わせの変更を決めており、採用活動期間が3カ月短縮されることが決まっている(図1)。今年度の採用活動は、従来型の採用活動期間の最後となる。

拡大

 今年度の求人サイドは、リーマンショックから5年が経過し、アベノミクスの第一の矢、金融緩和による円安で輸出企業を中心に企業業績が回復し、採用予定数が増加することが予想されている。一方、景気回復、売上増に確信が持てない企業経営者は ・・・ログインして読む
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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

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