メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ドワンゴがしかけたリクナビ型就活と経団連への報復

常見陽平 評論家(雇用・労働、キャリア、若者論)

 ドワンゴが採用試験を「有料化」するという取り組みが耳目を集めたが、これは驚くにはあたらない。このニュースにむしろ、ここ数年の採用活動の変化や課題が凝縮されていると考えるべきだろう。

 採用活動に少しでも関わったことがある者なら、またドワンゴという企業のことを少しでも知っている者だとしたら、おそらく大騒ぎはしないはずだ。大胆な変化のようで、ここ数年の採用トレンドと、ドワンゴという企業の動きから言うならば、想定の範囲内の取り組みであるからだ。

 ポイントは次のようになる。

 1. ハードルを上げることによる、母集団の最適化

 2. 採用活動を通じたブランディング

 3. 採用広報期間の短縮化の中での話題作り

 この3つは、ここ数年の採用活動の中で、大手企業や成長ベンチャーを中心によく行われてきたことであり、何ら珍しくもない。もちろん、採用において有料化することは学生にとって負担となり、他社への波及が懸念されるわけだが、おそらく、広がらないだろう。

 順に説明していこう。

 まず、採用活動において、母集団の肥大化は長年の課題だった。就職難により応募数が増えるという論理もあるわけだが、そもそも90年代後半にリクナビに代表される就職ナビが登場し、一括エントリーが可能となったため、応募数は肥大化した。

 実際、リクナビに登録してみると、「人気企業への一括エントリー」や「この企業にもエントリーしませんか」という案内がどんどん出るわけである。結果として、学生も自己管理できないほどに応募数が増えて身動きが取れなくなるし、企業にはマッチしない学生たちからの応募が増えるのである。

 このため、より本気の学生からの応募を獲得するために、企業は応募のハードルを上げようとする。エントリーシートと呼ばれる応募書類を難問化させているのもその動きの一つだと言えるだろう。他にも、 ・・・ログインして読む
(残り:約1299文字/本文:約2085文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

常見陽平

常見陽平(つねみ・ようへい) 評論家(雇用・労働、キャリア、若者論)

人材コンサルタント。株式会社クオリティ・オブ・ライフ フェロー。HR総合調査研究所客員研究員。実践女子大学・白百合女子大学・武蔵野美術大学非常勤講師。北海道札幌市出身。一橋大学卒業後、株式会社リクルート入社。とらばーゆ編集部、トヨタ自動車との合弁会社などを経て、玩具メーカーに移り新卒採用を担当。2009年株式会社クオリティ・オブ・ライフに参加。2012年に退社し、フェロー。就活、サラリーマンの今後をメインテーマに講演、執筆、研究・調査、コンサルティングなどに注力し、面白い社会人をデビューさせるべく奮闘中。著書に『「就社志向」の研究』、『普通に働け』など多数。最新刊に『アラフォー男子の憂鬱』(共著)

常見陽平の記事

もっと見る