メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

特定秘密保護法は今後の運用次第

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案が、12月6日深夜の参院本会議で可決され成立した。

 この法律は日本の安全保障に関する情報のうち「特に秘匿することが必要であるもの」を「特定秘密」として指定し、取扱者の適正評価の実施や、漏えいした場合の罰則などを定めた法案だ。この法案は10月25日に安全保障会議(総理を議長とし、財務・総務・外務・防衛大臣など8名を議員とする会議)の了承を経たうえで閣議決定し、第185回国会に提出された経緯がある。

 朝日新聞などは強い反対を表明し続けており、各種世論調査では反対が40%から50%に上っている。与党自民党、公明党のほか、日本維新の会、みんなの党は修正案には賛成しているが、反対している議員も少なくない。民主党、共産党、生活の党、社民党はこぞって反対している。

 筆者はこの法律は必要だと考えている。秘密は安全保障に関する情報の一部に限られており、従来から日本が国として機密情報の管理がしっかりできていないという国際的批判が強かったことなどを考えると、必要な立法だといえよう。

 ヘンリー・キッシンジャーはかつて日本では秘密が守られないので、重要な機密情報は伝えられないと述べたこともあり、筆者が関連した為替問題などについても

・・・ログインして読む
(残り:約694文字/本文:約1228文字)