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[12]世界最大の貿易国になった中国とのつき合い方

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 2013年には、財の輸出額・輸入額を合わせた貿易額合計で、中国が米国を凌駕し、世界一になったことが、ほぼ確実である。

 中国政府・海関総署(税関)が、1月10日に公表した2013年の中国の財の輸出額、輸入額の貿易額合計は、4兆1603億31百万ドルと、2012年に比べ、7・6%の増加であった。

 これに対応する米国の統計は、現時点では2013年11月分までしか公表されていない。そこで、同月までの推移をもとに概算・推計すると、2013年は4兆ドル未満と見られる。

 中国が、米国を貿易額では凌駕し、世界一の座に躍り出たのは、ほぼ確実と見られる。

拡大

 現在から10年前の2004年には、中国の財の貿易額は、既に日本を凌駕していた。

 さらに、国内総生産(GDP、ドル換算)の規模では、2010年には中国が日本を上回った。その後は、日本経済の成長がもたつき、中国経済の成長ペースが落ちても、日中の差は拡大する一方である。昨年の2013年の中国のGDPは、日本の1・8倍余りになったと推計される。

 十年一昔というが、昨今では一両年一昔といって良いほどに、日本の内外の経済環境が激変している。経済は、数字の世界である。激変する経済情勢を、出来るだけ直近の統計数字、データで把握しておくのが肝要である。

 さもなければ、過去の認識にとらわれ、目の前にあるはずの現実を、ピントの合っていない眼鏡を掛けて眺め、論じ、更には実際の行動まで取るようになると、真にトンチンカンなことに陥りかねない。場合によっては、悲劇さえ呼びかねない。

 重要なのは、日本から関係相手国が如何に見えるかを冷静に把握することだけではない。関係相手国から見ると、日本がいかに見えているかも、冷静に分析することである。この認識ギャップ(perception gap)は、客観的な現実よりも、相互関係において、実際には大きな役割を果たす場合が多い。

 日本から見ると、昨年11月までの1年間(12カ月間)で見ると、通関輸出額の内で、 17・9%が中国向け、香港向けの5・2%と合わせると、中国+香港向けのシェアは、実に23・1%にもなる。米国向けが18・6%、欧州連合諸国向けが10・0%であることに比べて、中国+香港向けは抜きんでて大きな存在である。

 しかし、中国側から見ると、中国の輸出に占める日本のシェアは、かつてのイメージとは大きく異なり、ますます小さい存在に

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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