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都知事選に細川・小泉元首相連合 「脱原発」は安倍政権を揺るがすか

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 東京都知事選で、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)が14日、立候補を表明した。小泉純一郎元首相(72)が支援し、「脱原発」を前面に打ち出すという。自民党が支援する舛添要一・元厚生労働相(65)や、原発再稼働に前向きな安倍晋三首相(59)と対抗する構図だ。

 今年はG20諸国のうち、米国が中間選挙年に当たり、欧州議会選挙のほか、南アフリカ、インドネシア、トルコ、ブラジルの4カ国で大統領選挙、インドでは総選挙が予定されている。タクシン元首相を巡り対立が続くタイの総選挙も含めると、新興国中心に選挙イヤーである。

 日本は2014年世界の政治カレンダーに入らない予定だった。しかし徳洲会事件が猪瀬直樹都知事の辞任につながり、2月9日投開票の東京都知事選挙が、政治カレンダーに加わることになった。この辞任がなければ、2015年9月、自民党総裁選挙、2016年7月の参議院選挙、2016年12月の衆議院任期満了が日本の重要な政治カレンダーだった。

 都知事選には、自民党が支援する元厚生労働相の舛添要一氏(65)、元首相の細川護熙氏(76)、共産、社民両党が推薦する日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児氏(67)、日本維新の会の石原慎太郎共同代表が個人的に支援する元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)らが立候補する考えをすでに表明していた。

 細川氏が脱原発を掲げ、元首相の小泉純一郎氏が支援することで、がぜん原発やエネルギー政策が主要な争点のひとつとして浮上してきた。今回は、細川氏が立候補することで、経済政策にどのような影響の可能性があるのかを考察するとともに、過去の都知事候補者の年齢、投票率データを分析してみたい。

都知事選挙は消費税増税の前

 都知事選挙後の4月、消費税が5%から8%に引き上げられることが決まっている。さらに2015年10月からは、10%に引き上げられる予定である。都知事選挙が消費税引き上げによる消費者への心理的影響が出る時期や10%の引き上げを決断するような時期であれば、経済情勢が都知事選挙に大きな影響を与える可能性があった。都知事選挙の2月時点では、消費税引き上げ前の駆け込み需要時期で、アベノミクスの問題点を争点にしにくい。

 仮に、細川氏や宇都宮氏のような反原発を主張する候補が当選し、安倍政権の原子力などエネルギー政策の転換を促したとして、さらに経済政策にどの程度、影響を与えるかは現時点では予想しにくい。細川氏に小泉氏、さらに菅直人氏、小沢一郎氏ら野党が結集するきっかけになり、政界再編につながっても、

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