2014年01月24日
「みずほが発足して13年、内部に潜んでいる、えも言われぬ部分を何とか切り出していかなければならない。それはとてつもなく重いものだ」
みずほ銀行の佐藤博康頭取が23日、辞任を表明した。退任の記者会見で印象的だったのが冒頭の言葉だ。
暴力団融資から始まり、金融庁への虚偽報告や記者会見拒否などメガバンクらしくない失態を演じたみずほは、トップの辞任で再生へと動き出す。だが「内部にひそむえも言われぬ部分」という魔物を退治できるのだろうか。
興銀・富士銀・第一勧銀が合併し、この13年間は旧行の背番号をつけた行員が、仕事の流儀やプライドをぶつけあう内戦の歴史でもあった。
銀行員は競争社会の勝ち組である。放っておいても競争したがる面々が合併で少なくなるポストを目指し、敵と味方に分かれ争う。身内のためなら粉骨砕身でも、他人事は見ないふりをする。なまじ有能であるだけに、まき散らす負のエネルギ―は膨大だった。
この負のエネルギーこそ佐藤頭取が指摘する「えも言われぬ部分」であり「とてつもなく重いもの」なのだ。
頭取・会長を辞任まで追い込んだ「暴力団融資の放置」も魔物の仕業である。
得にならないことはしない銀行員の保身が、問題融資の処理を任された担当者を孤立させた。相談する相手もないまま放置された問題の融資が金融庁に見つかると、銀行はウソで切り抜けた。利口な人たちが目先の不都合を回避し続けた結果、事態はどんどん厄介になり、トップが首を差し出す事態を招いた。
魔物はこの事件を「第一勧銀系のチョンボ」という筋書きに仕立てた。舞台になったオリコは旧第一勧銀の役員が社長に天下っていたからである。「オレたちは関係ない」とか「厄介なことをしてくれたものだ」という冷ややかな空気を作り出した。
事件当時の頭取として引責辞任させられたのが
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