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[15]日本のエネルギー事情・・・省エネなどで、原発全面稼働停止分はすでに解決済み

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 省エネなどで、日本の原発全面停止などによるエネルギー供給不足問題は、既に解決済みである。

 しかも、日本経済の経済活動の実質的な水準は、過去最高である。

 現在進行中の東京都知事選挙では、全面的に稼働停止されている日本国内の原発を、停止されたままにしておくか、再稼働するかが論点になっている。

 しかし、日本経済のエネルギー事情は、脱原発派、原発推進派の双方の遥か先を、既に行っているのが現実である。

 日本経済の実質的な経済活動水準を表す実質国内総生産(2005年基準連鎖価格評価)は、昨年には527兆円(第3四半期、年率換算・季節調整済)と、以前に最高水準を記録した2007年の524兆円を凌駕した。

 しかし、第1次エネルギー消費量(石油換算)は、2007年の5億2670万トンから、2013年には4億8010万トン(2012年は4億7820万トン)へと、4660万トン、8・8%もの減少を見た。

 2007年から2013年の第1次エネルギー消費量(石油換算)の変化量、マイナス4660万トンの熱源別の内訳は、石油がマイナス1570万トン、石炭がプラス340万トン、天然ガスがプラス2410万トン、原子力がマイナス6100万トンであった。その他の再生可能エネルギーなどは、プラス220万トンであった。

 ちなみに、2013年は、9月までは前年7月に再稼働された2基の原発が運転されていただけで、原子力発電でのエネルギー消費量は、石油換算で210万トン程度に過ぎなかったと推計される。

 要するに、原子力発電エネルギーの減少分を、経済活動の実質水準を低下させずに、エネルギー消費量の節約、すなわち省エネで大部分を切り抜けた勘定である。また、石油の天然ガスへの代替も大きく進んだと言えよう。

拡大

 日本経済全体の省エネの度合いを測るのに適当な指標は、1億円の実質GDP(2005年連鎖価格評価)を生み出すのに、何トンの第1次エネルギー消費(石油換算)が必要であったかを算出して、その推移を観察することであろう。

 この省エネ指標は、1973年の第1次石油危機前後では、150トン余りであった。しかし、

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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