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クルマの利潤を手にするのは自動車メーカーかネットの巨人か

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 グーグルとアップルが自動車業界に攻勢をかけている。車向けにシステムや情報端末を売るだけでなく、車を外部のネットワークに結びつけ、パソコンやスマホと同じようにネット企業の支配下に置こうという壮大な戦略だ。それは今自動車業界が独占している莫大な利益を、ネット企業に再配分するよう迫る動きでもある。自動車業界はどう対応するのか、日本メーカーは大丈夫だろうか。

3 月上旬に開かれた「ジュネーブ国際自動車ショー」は、ネットの巨人グーグルとアップルが存在感を見せつける舞台になった。

 まずグーグル。独フォルクスワーゲン(VW)は、傘下のアウディがグーグルの基本ソフト「アンドロイド」の端末を搭載したスポーツ車「TT」(写真=アウディHPより)を今夏に売り出すと発表した。

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 VWのヴィンターコーン社長は「グーグルとの協力をさらに深める。デジタル化は自動車のあり方の再定義を迫っている」と、その画期的な意味を強調した。

 ドライバーは端末で外部とつながり、ナビゲーションや音楽、アプリを楽しむことができる。さらにアンドロイドを標準化することで、他の自動車との通信や道路インフラとのネットワーク、運転のコンピューター支援にも広げるという。

 GM、ホンダ、現代もグーグルと提携しているので、いずれ追随すると見られるが、VWにとって実用化の一番手になる意味は大きい。グーグルと共同開発のパートナーになることで、これから開発するシステムをたえず自社に都合のよい形に持っていける利点があるからだ。

 二番手以下の他のメーカーがVWに追いつくには、グーグルとVWが共同開発したシステムを採用せざるを得ない。こうして自社陣営のメーカー数を増やすことが

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

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