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[21]アベノミクス1年の総決算・・・1人当たりGDP(ドル換算)は17・3%縮小

齋藤進 三極経済研究所代表取締役

 第2次安倍政権が2012年12月に成立してから満1年3カ月近く、安倍首相の肝煎りと見られる黒田氏が、日本銀行総裁に就任してから今週で満1年になる。

 安倍・黒田体制の当初から、「アベノミクス」ともてはやされた経済政策の結果を、数字の上で評価するための十分な時間が経過したと言える。

 国家の経済政策の目的は、国民の経済生活の水準(=経済的厚生)を維持し、向上させることに尽きる。それも、特定の国民層だけではなく、最大多数の最大厚生を目指すのが、自由民主主義下の政治では当然のことだろう。

 なぜ以上のような、ある意味では自明の事にわざわざ言及するかと言うと、国民経済の運営に関連した「経済学」と、1企業の経済的な利益追求を主な目的とする「経営学」の議論が混同される場合が、余りにも多く見られるからである。

 アベノミクスは、大幅な円安、少々の財政的な景気刺激策、「量的緩和政策」という名目で、日本銀行(=中央銀行)による新規財政赤字による国債の実質的な全額引き受けに踏み切った事などを、主な政策手段にするものであった。

 大幅な円安は、ドル建て比率の高い日本の輸出関連産業の価格競争力を高め、円換算の輸出額、売上高を増加させ、利益を増大させようとのものであった。

 確かに、大幅な円安が進行した2013年前半には、アベノミクス推進論者などの当初の目論見通りに事態は進展したと考えられる。

 しかし、2013年5月下旬に、円安の進展の鈍化が明らかになった以降は、上記のシナリオは頓挫して

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筆者

齋藤進

齋藤進(さいとう・すすむ) 三極経済研究所代表取締役

(株)三極経済研究所・代表取締役。1950年静岡県生まれ。73年京都大学経済学部卒、73年より、国際関係研究所客員研究員(台北)、76年ミシガン大学大学院経済学博士課程修了。フォード財団特別研究員、ウォールストリートで、金融機関、機関投資家、国際機関向けの独立経済コンサルタント業、クレディ・スイス銀行(東京)経済調査部長兼チーフ・エコノミストなどを経て、1990年より現職。「平成不況」の名づけ親として、多くの経済政策論文・論説を発表。著書に『平成不況脱出』(ダイヤモンド社)、『平成金配り徳政令』(講談社)など。世界の100人のTop Political Columnistにも選ばれている。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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