2014年04月04日
全国農業協同組合中央会(全中)は3日、JA改革案を発表したが、これに先立ち朝日新聞は3月29日付の朝刊で、農協が、農協の位置づけを「農家の組合」から「地域の組合」へ衣替えを検討していること、これに対して農林水産省は農協の本質を変えるとして慎重だと報じている。
農協は農業の職能組合である。しかし、戦後農協法を立法する際、農家でなくても、地域の住民であれば、農協の意思決定には参加できないが、農協の事業を自由に利用できるという准組合員制度を認めてしまった。
そもそもは、地域住民のために例外的なものとして認めた制度だった。ところが、住宅ローンや保険サービスを提供することで、この准組合員から利益をあげられると判断した農協の積極的な勧誘によって、その数はどんどん増加した。
現在では517万人となり、農家である正組合員467万人を大きく上回っている。他のいかなる法人にも認められていない、銀行事業の兼務、生命保険と損害保険業務の兼務と、他の協同組合にはない准組合員制度は、相乗的に作用し、農協は脱農化で発展した。
農業は衰退するのに、農協は我が国第二位のメガバンクになるなど、大きく発展した。しかし、これによって、農協は農業や農家の協同組合ではないという批判が高まってきた。
「地域の組合」へ衣替えは、このような批判をかわそうとするものである。しかも、農家戸数は253万戸なのに、農協正組合員467万人(正組合戸数は401万戸)はこれを大きく上回る。農業を止めた人たちも、正組合員のままにしているからである。「地域の組合」にすれば、
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