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「CSRからCSVへ」に対する警鐘

森摂 ビジネス情報誌「オルタナ」編集長

 今年3月13日、CSRについての一つの興味深い文書がインターネットに掲載されました。発信主は一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)と一般財団法人 CSOネットワークという、2つの非営利団体です。

 そのタイトルは、「CSRとCSVに関する原則」について。文書は次のように始まっています。

(ここから引用)
マイケル・ポーター教授が2011年に提唱したCSV(Creating Shared Value 共有価値の創造)が日本で紹介されてから、「CSRからCSVへ」、「CSR はもう古い、これからはCSV だ」といった論調が見られるようになってきました。
CSVそれ自体というよりも、そうした日本でのとり上げられ方と、本来のCSR(企業の社会的責任)への影響に懸念をいだいた企業、NPO/NGO、消費者団体、シンクタンクなど諸セクターの有志により、研究会として「CSRとCSVを考える会」が2013年夏から4回にわたって開催され、議論が積み重ねられました。
(引用終わり)

 実は私もその内容に賛同し、文書に署名をしました。その理由は、文書が指摘する通り、CSRとCSVを「似たような概念」ととらえ、CSVがあたかもCSRの進化形のようにとらえる動きがあったからです。

 文書の原則は下記の4点からなっています。
1. CSRは企業のあらゆる事業活動において不可欠です。
2. CSVはCSRの代替とはなりません。
3. CSVはCSRを前提として進められるべきです。
4. CSVが創り出そうとする「社会的価値」の検証と評価が必要です。

 詳しくはウェブサイトで同文書をご参照頂ければと思いますが、ここからは、オルタナ編集長としての見解を述べさせて頂きます。

 CSRとは、「企業の社会的責任」と訳されていますが、そもそも「CSRをする」とか、「CSRに熱心だ」という言い方は、少し考えてみると日本語としておかしい

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筆者

森摂

森摂(もり・せつ) ビジネス情報誌「オルタナ」編集長

環境とCSRと志のビジネス情報誌「オルタナ」編集長。東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。 流通経済部などを経て1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2002年9月退社。同年10月、ジャーナリストのネットワークであるNPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)を設立、代表に就任。2006年9月、株式会社オルタナ設立、編集長に就任、現在に至る。主な著書に『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年10月)など。訳書に、パタゴニア創業者イヴォン・シュイナードの経営論「社員をサーフィンに行かせよう」(東洋経済新報社、2007年3 月)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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